3月11日に発生した大地震。以来、情報はもっぱらラジオに耳を傾けて得ています。
テレビのニュースで、暴走する大津波がすべてをなぎ倒し、飲み尽くしていく凄まじい惨状が、これでもかこれでもかと繰り返し映し出されていることに、私の内なる感覚からの耐えがたい心地悪さに電源を切りました。
混乱の中で情報の洪水を浴び続ける時には、感度を鈍化させるか、より研ぎ澄ませて取捨選択をしていくか、大いなる工夫と配慮が必要のようです。
16日の天皇陛下のお言葉も、ラジオを通して拝聴しました。
これをきっかけに、荒れ狂う天空に希望の光がさしてくれることを、祈らすにはいられません。何かを恨み、何かを罵倒し、何かを責め立て、何かに絶望することが、笑顔を取り戻す近道にはなりえません。
今は真っ暗やみであっても、今日よりも明日、明日よりもさらに先へ、きっと明るい兆しが宿っていることを、祈りたいと思います。
激しい動揺に打ちひしがれていても、笑顔を取り戻す時は必ずくるのだと、祈りたいと思います。
風もおだやかに吹き抜ける今日の昼、外へ出た時のこと。ご婦人に連れられて散歩中のお洒落なワンちゃんと遭遇。
道のど真ん中でやおら動きを止め、しっぽを上げたなと思ったら、スルスルと見事な排便。眼鏡越しの私の目にもゆらゆらと立ち上る湯気がはっきり見えて、「命って、こういうことかも」とつぶやきながら、思わずニンマリ笑っていました。
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