春子さんの誕生日から定められた先天的な特性を示しているのが、本命四緑木星・月命七赤金星。
とりわけ昭和17年生まれには賢妻賢母で働き者の女性が現れます。それも厳しい状況にさらされればさらされるほど、その真価を発揮。耐乏生活を知恵と工夫で乗り切り、大きな壁が家族の前に立ちふさがれば、夫をもり立て子供を包んで、しっかり守ります。
さて、そこに13と13のまっすぐの横同格という大きなエネルギーが重なります。ここでは、昭和という時代背景も意識しながら、賢妻賢母の先天性に横同格の作用を加えて考察してみましょう。
横同格な人の大きな特徴の一つとして、「さらに」「もっと」という欲求への感情の動きがあります。家族を大事に思う気持ちの強い春子さん。特にここ一番という場面では、愛情の深さはより深く、叱咤激励はもっと激しくという方向へ大きく傾くことでしょう。
家族が大事というシンプルな原点が、過剰に働き増幅する典型として私が思い浮かべるのが、オルソン夫人。少女ローラを主人公にアメリカ開拓時代の家族愛を描いたドラマ「大草原の小さな家」に登場する中年女性です。
オルソン夫人は家族、とりわけ子供への愛情がとても強い母親。それがあまりに強すぎて、悪気はないのに周囲とのアツレキを生みます。過剰な愛情が暴走すると、尊敬すべき夫にまで噛みつき、つい毒舌を吐いてしまうことに。まして他人に対してはさらに過激に反応し、自分の家族が一番という思いだけが空回り。憎めないけれどちょっと困った存在、そんな人物像として描かれています。
かたや昭和17年に生まれた春子さん。戦後の物不足の時代から、お給料と物価と地価が右肩上がりに続く復興と発展の時代を、懸命に暮らしてきたことでしょう。人のために一所懸命世話をやき、頼まれたなら惜しまず尽くすはず。町内に一人はいて欲しい、愛されるべき存在です。
しかし、どうしても余分な力みが入り、やり過ぎれば相手から嫌われてしまいます。その力みの元をたどれば、家族か金銭、あるいは損得に、気づかぬうちに固執してしまっている時。これこそ横同格な人が陥りやすい落とし穴なのです。
彼女がほんとうの本領を発揮できるのは、きっとこれから。人生の余力の時代を迎えた今からです。
生来の慈善心で余力を上手に活かせれば、眉間に寄せたシワも消えてくれるかも。そうして、夫や子供たちの姿をもう一度眺めてみたなら、見えてくる風景はきっとガラリ違っているはずです。
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