これまで画家、音楽家、陶芸家、作家、芸能人、スタイリスト、宗教家、教育者、経営者、医師、政治家といった、あらゆる分野、職種で活躍する方々のたくさんの依頼に応えてきました。
数字は吉と凶に振り分けられ、画数にも吉面と凶面があり、そこから姓名判断が始まります。でもそれはほんの最初の一歩に過ぎません。名前から展開した数字を画一的に分析し、ただ解釈を並べ立てるだけの作業なら、それに意義を見出すことなど私には出来ません。
障害のある方、難病と闘う方、目標に向かってチャレンジしている方、ヒリヒリするほどの深い心の傷を抱えている方、これまで誰にも評価されることなく頑張ってきた方、そんな様々な相談者に向けて、選びぬいた私なりの言葉に託し、その人の大切な本質を表現しながら、想いを伝えてきました。
私の本を読んで手法だけを真似ても、基本的な考え方や解釈の枠組みをしっかり学んで汲み取ることが出来ず、「なぜ、こんな・・・」と思わざるをえないような名前が付けられて、後から私のところへ相談にやって来る方がいます。
私の本を片手に持って名前を鑑定、「これが危ない」「短命」「こんなにひどい名前だ」と怯えさせるような言葉を並べ立て、実質価格をはるかに上回る高額の印鑑や開運グッズを買うようにと言われた、そんな残念でならない情報が耳に入り、困惑することもしばしばあります。
吉数ばかりを並べればそれで安心、とにかく成功する名前を、金儲けのできる名前を、そんな名前の存在は、ずいぶん安直なことであると共に、場合によっては大きな危険も伴うことなのです。我欲ばかりを優先させれば、そのツケは必ず自分に返ってきます。そんないくつもの実例を私は繰り返し確認してきました。
私にとって名前作りとは、一人一人の複雑な存在を理解し、最良であると自信を持って付けることのできるよう、考えうるすべての配慮を尽くした上で厳しく選択していく緻密な作業なのです。
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